2018年国会見学会参加者の声

(2018/12/26 水曜日
国会見学感想

東京大学交換留学生
陳 星竹

 12月26日、立志会のおかげ様で留学生一同で国会を見学し、また参議院特別体験プログラムにも参加することができ、大変有意義な半日でした。

 今回我々が伺うのは日本の政治の中心地、永田町。ここには首相官邸、国会議事堂、諸政党の本部など、普段テレビでしか見ない建物が林立し、駅から出た瞬間から独特の厳かな雰囲気を感じました。

 参議院見学では、参議院の活動や役割、衆参本会議場の違い、議事堂の歩みなどについて詳しく紹介していただきました。1920年に建設を始めた国会議事堂は今まで、もうすぐ120の年月が経ちます。この120年の間に起きた関東大震災、日本国内の内乱、更に第2次世界大戦などのことを考えると、国会議事堂建設時の大変さがよくわかり、この建物が持っている歴史の重みも十分に感じました。また、本会議場だけでなく、日本の春夏秋冬が描かれる絵を飾っている中央塔、日本の憲政に貢献した板垣退助・大隈重信・伊藤博文の銅像が立っている中央広間、豪華な天皇陛下の御休所なども見学することができ、どの施設もとても印象的でした。

 その後の衆議院特別体験プログラムでは、裁判員制度をめぐる法務委員会での討論過程を体験させていただきました。参加者それぞれが役職を与えられ、私が担当したのは会議の司会進行役及び最高責任者に当たる法務委員長。参加する前、法律用語が沢山あって順調に討論・報告できるかと不安でしたが、普段よくニュース番組を見るお陰で、何となく専門用語に聞き覚えがあり、委員長として無事に役割を果たしました。今回の体験プログラムにより、日本で法律ができるまでの流れを知ることができ、大変勉強になりました。そして同時に、中国人として全国人民代表大会での国の立法過程に対するイメージは持っているが、自分との距離が遠く感じているため、自国の法律の制定過程についてまだ知らないことが多いことに痛感しました。帰国後は是非、人民大会堂にも一度見学し、実体験を通じ自分が生まれ育った国の政治の仕組みへ深く理解しようと思いました。  我々は留学生として、日本の政治に関わる機会は少ないと思いますが、日本で長く生活する以上、全く無縁とも決して言えないと思います。つい最近の11月、日本で入国管理法改正案が国会で可決されることが社会で大きな反響を呼び、その内容は外国人の在留資格や生活保障など深く関わり、日本社会の将来を左右する案と言っても過言ではないと思います。また、もし将来日本で働くことになり、働き方・医療・年金など生活のさまざまな面での保障も全て日本の国会と深く関わるため、日本の政治や法律に対する一層深い理解はどの国の留学生や滞在者にとっても大切だと私は思います。

 改めて貴重な機会を下さって立志会の王紅理事長、杉本副理事長、国会議事堂を案内して下さった衛視の石井さんに感謝の意を申し上げます。留学生のみなさま、お疲れ様でした。